開催日時
2025年9月4日(木) 〜 6日(土)
千葉匝瑳市15名/千葉旭市15名/愛媛県西条市7名/福岡県久留米市7名|合計44名
※北海道余市町研修生は、WEB講座で開催済み。
開催内容・タイムスケジュール
1日目 9/4(木) | 研修概要説明/講和 木内博一氏/講演 佐藤正史 氏/宿泊 農園リゾートTHE FARM |
2日目 9/5(金) | 講演 髙橋義直氏/研修(生産者視察)/株式会社和郷(カット工場、冷凍工場視察) |
3日目 9/6(土) | 農園リゾートTHE FARM視察/ 基本研修振り返りワークショップ ファシリテーター 髙橋義直氏 |
1日目|9月4日(木)|研修詳細
時間 | 内容 |
11:30~ | 成田空港へ集合 |
12:00~12:45 | バスにて移動 橘ふれあい公園 〒289-0414千葉県香取市長岡1828-1 |
13:00~13:30 | 研修概要の説明/オリエンテーリング 総務省 地域力創造アドバイザー 株式会社和郷 ナレッジバンク事業統括取締役 髙橋義直 氏 |
13:30~14:30 | 講和 株式会社和郷 代表取締役 農事組合法人和郷園 代表理事 木内 博一 氏 |
14:30~14:45 | 休憩 |
14:45~15:45 | 講演 『新規就農事例紹介』 農事組合法人 和郷園 理事 佐藤農園 代表 佐藤正史 氏 |
17:00~17:15 | バスにて移動 |
17:15~18:00 | チェックイン 農園リゾートTHE FARM 〒287-0103 千葉県香取市西田部1309-29 |
18:00~20:00 | 懇親会 ザファーム |
13:00〜13:30 オリエンテーリング 髙橋義直氏

進行 髙橋義直 氏 プロフィール
株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 / 和郷アグリカレッジ インストラクター / 総務省 地域力創造アドバイザー
1989年大学卒業後、総合飲料メーカーに入社し外食産業の開発業務に従事。その後、外食コンサルティング企業を立ち上げ、2001年に独立。2012年から株式会社和郷で「食と農」の6次産業化や新規事業開発支援、行政施策支援を担当。多くの地域活性化・農業支援プロジェクトに携わる。主な実績には、農園リゾート「ザファーム」の開発、三条市農業法人体質強化支援、JAL Agriport開発などがある。
昨年開催された和郷アグリカレッジの模様、参加研修生のモニター、参加後の研修参加後の意向調査を紹介。また、研修生へこのようなメッセージを贈っていました。
農業界へ参入するにあたっての第一歩は、「就農を見据えた長期間にわたる現地研修」や 「基礎知識を学ぶため学校へ入学」であることが多い。「就農地域に辿りつく」「地域に溶け込めるか分からない」など、 就農潜在層にとって参入障壁が高く、離脱する要因の一つ となっている。 本研修事業「WAC」ではその第一歩を「おためし」で、 “全国の農山漁村地域”での「農業」「地域」「人」を知ることが できる研修事業とすることで、一歩踏み出すハードルを下げることが 狙いである。就農希望者と農村を結び、各地農場業の人手不 足解消の一助を目指す。 |



13:30〜14:30 講和 木内 博一氏

講師 木内 博一氏 プロフィール
農事組合法人和郷園 代表理事、株式会社和郷 代表取締役
1967年千葉県生まれ。1989年農林水産省農業者大学校を卒業し、家業を継いで就農。1996年に有限会社和郷(現:株式会社和郷)、1998年に農事組合法人和郷園を設立。産地直送やカット野菜事業を手がけ、農業を軸に多角的な事業展開を推進し、年商70億円の企業を築く。
受賞歴には、山崎記念農業賞(2002年)、千葉県農業奨励賞(2004年)、環境保全型農業推進コンクール優秀賞(2005年)など多数。
株式会社和郷の木内代表が、同級生であり同志でもある和郷アグリカレッジの髙橋氏との熱量ある対話形式で登壇しました。高校時代からの変わらぬ絆を背景に、大学卒業後に実家の農業を継いだ際の強烈な危機感が語られました。「現状のままでは農業に未来はない」という切実な思いが、木内代表を突き動かした原点です。この危機感こそが、現状を変えるための大胆な行動力へと繋がります。木内代表は、農業の課題を打開するために立ち上がった奮闘のエピソードを披露。その熱意と行動が、後の和郷園の設立、株式会社和郷への組織化、さらにはカット・冷凍加工工場の設置、そして体験農園「ザファーム」の開設といった、農業におけるイノベーションの連鎖を生み出しました。約1時間にわたる講演は、単なる事業説明ではなく、既成概念を打ち破り続けた挑戦の軌跡そのものであり、聴講者に対し、日本の農業の未来を切り開くための明確なビジョンと、熱いメッセージを届けました。



14:45〜15:45 講演 『新規就農事例紹介』

講師 佐藤 正史 氏 プロフィール
佐藤農園 代表(JGAP認証農場)
農事組合法人 和郷園 理事
株式会社 和郷 監査役
1968年千葉県生まれ。
高糖度フルーツトマトの施設栽培を行い、農園スタッフの新規就農を積極的に支援している。
和郷園の中心メンバーとして理事を務め、後進の指導にあたっている。
千葉県多古町の「多古町の農業を考える会」の組成メンバーとして地域の就農促進にも貢献。
その他千葉大学などでの講演等、農業界での様々な指導経験を持っている。
今回の講演テーマは「新規就農事例紹介」です。講演では、佐藤代表自らが新規就農者への詳細なインタビューを行い、そのリアルな成功と成長の軌跡を紹介しました。生年月日や出身地、異業種からの転身に至るまでの経歴、そして就農のきっかけといった背景情報に加え、就農開始時の農業規模(品目、作付け面積、売上)から現在の具体的な状況、さらには将来目指す目標までを掘り下げて解説。それぞれ異なる分野から農業へとキャリアチェンジした方々の体験談を通じて、「なぜ、数ある選択肢から農業を選んだのか」という点に深く切り込むことで、参加者にとって非常に興味深く、示唆に富む内容となりました。本講演は、これから新規就農を目指す方々にとって、すぐに活用できる実践的な情報が満載です。また、長年にわたり多数の新規就農者を継続的に支援し、成功に導いてきた佐藤代表だからこそ語れる、説得力のある講和となりました。



宿泊 THE FARM HABITA
「THE FARM HABITA(ハビタ)」は、「束縛されない、自由な旅」をコンセプトにした農園リゾートの新しいコテージです。広い吹き抜けを持つモダンな二階建ての室内は、リビングとデッキをつなげれば、開放的なアウトドアリビングに。デッキでのBBQや、室内でのプロジェクター鑑賞など、自由気ままな滞在が楽しめます。


懇親会 BBQスペース
ザファームでのBBQ体験&懇親会が開催されました。









2日目|9月5日(金)|研修詳細
時間 | 内容 |
9:00~11:00 | ①新規就農の研究 ②ザファーム紹介 講師 株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 / 和郷アグリカレッジ インストラクター / 総務省 地域力創造アドバイザー 髙橋義直 氏 |
11:00~12:30 | 昼休憩 各自昼食 |
13:00~14:00 | 生産者視察(和郷ファーム) |
14:10~15:15 | 冷凍工場視察 株式会社和郷 さあや’Sキッチン 〒289-0408 千葉県香取市神生1187-2 |
15:30~16:15 | カット工場視察 株式会社和郷 カット工場 〒289-0424 千葉県香取市新里1020 |
9:00〜11:30 講演 『新規就農の研究』

講師 髙橋義直 氏 プロフィール
株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 / 和郷アグリカレッジ インストラクター /
総務省 地域力創造アドバイザー
1989年大学卒業後、総合飲料メーカーに入社し外食産業の開発業務に従事。その後、外食コンサルティング企業を立ち上げ、2001年に独立。2012年から株式会社和郷で「食と農」の6次産業化や新規事業開発支援、行政施策支援を担当。多くの地域活性化・農業支援プロジェクトに携わる。主な実績には、農園リゾート「ザファーム」の開発、三条市農業法人体質強化支援、JAL Agriport開発などがある。
講演では、新規就農を取り巻く最新のデータ分析に基づいて、就農希望者の詳細な動向と傾向が解説されました。特に、必要とされた情報や直面した苦労点が具体的に紹介された点は、非常に実践的でした。興味深い傾向として、大都市圏(関東・近畿)出身者が積極的に地方へ移住して就農しているのに対し、地方出身者は地元での就農を選択する傾向が強いことが示されました。また、新規就農者の大半が、事前に市民農園や貸農園、あるいは農業体験を通じて現場を経験していることも明らかにされました。これらの事例から、「農地の確保」「資金調達」「確かな技術の習得」の三点が、就農を成功させる上での最も重要な鍵であると強調されました。そこで、新規就農への具体的な関わりを創出するためのステップとして、「情報収集」「体験」「研修」の三段階を軸に進めることが推奨されました。各都道府県の無料・有料の体験プログラム、専門知識を学べる農業大学校、そして国の手厚い支援制度を最大限に活用するよう、具体的なアドバイスも提供されました。最後に、農業経営の基礎として、「収穫量 × 単価 = 売上」というシンプルな計算式を基本に、現実的な経営計画を策定する手法についても詳しく解説されました



13:00~14:00 生産者視察(和郷ファーム)
和郷ファームの視察を行い、有限会社さかきの伊原さんから直接、熱心なご案内をいただきました。伊原さんは、栽培されているトマトをはじめとした作物の特徴について、専門知識に基づいた詳細な解説をしてくださいました。単なる育て方の説明に留まらず、その高度な栽培技術や、品質を維持するための緻密な管理体制について具体的な事例を交えて紹介。特に、作物の成長を支える肥料の選定基準や使用方法については深く掘り下げてご説明いただき、環境への配慮と品質へのこだわりが詰まった、和郷ファーム独自の農業哲学を感じることができました。



14:10~15:15 冷凍工場・ドライ工場 視察(㈱和郷 さあや’sキッチン)
株式会社和郷が運営する冷凍工場およびドライ工場を訪問し、製造ラインを視察しました。担当の篠塚さんからは、調達された新鮮な青果が、いかにして高品質な加工製品へと生まれ変わるのかという一連のプロセスについて、詳細な解説をいただきました。特に、原材料の受け入れから最終的な商品パッケージングに至るまでの各工程における厳格な品質管理基準と、生産効率を高めるための運用ノウハウに焦点を当てて学びました。また、単に加工するだけでなく、規格外品などの青果を無駄なく有効活用するための独自の取り組みや、鮮度を保つための高度な保存技術にも触れました。この視察を通じて、食品ロスの削減と持続可能な農業生産システムへの同社の強いコミットメントを深く理解することができました。



※▼工場内は撮影禁止のため、提供画像を使用しております。



15:30~16:15 カット工場視察(㈱和郷 カット工場)
株式会社和郷のカット野菜工場を視察し、担当の大城さんにご案内いただきながら製造プロセスを説明してもらいました。カット野菜市場の需要について掘り下げ、スーパー、百貨店、福祉施設等の多岐にわたる納品先が、どのような規格の商品を求めているのか、具体的なニーズを把握することができました。衛生面の理由でカット工場内の見学はできませんでしたが、野菜の徹底した洗浄・消毒から、均一なカット工程、そして鮮度を保つパッケージング、最終的な配送に至るまで、一貫した流れの説明を鵜受けました。この視察を通して、カット野菜が現代の食を支える上で不可欠な存在であること、そしてその供給を支える工場運営の高度な重要性について、理解を深めることができました。



※▼工場内は撮影禁止のため、提供画像を使用しております。





3日目|9月6日(土)|研修詳細
時間 | 内容 |
9:00~10:00 | ザファーム視察 アテンド:髙橋義直氏 |
10:30~12:00 | 基本研修振り返りワークショップ@橘ふれあい公園 |
解散 |
9:00~10:00 ザファーム視察
千葉県香取市にある農園リゾート「ザファーム」の視察では、農業体験とリゾートが融合した独自のビジネスモデルを学びました。「ザファーム」は、宿泊施設や温泉、レストランを併設し、自然の中でリラックスしながら農作業や収穫体験ができます。
「農業体験」、「宿泊施設・温泉施設」、「レストランと地産地消」、「地域連携と観光資源活用」をザファーム内を歩きながら、学んでいただきました。「ザファーム」の視察では、農業を軸にした6次産業化や観光資源の活用法、経営の多角化など、農業経営の新たな可能性を学ぶことができます。





10:30〜12:00 基本研修振り返りワークショップ
研修最終日には、グループ討議形式の振り返りワークショップを実施しました。
参加者は、農業界の広がりや地域連携の重要性について学びを共有。特に「農業は儲からないのではないか」という参加前の不安が払拭され、やり方次第で利益を出せることを知り、農業への見方が大きく変わったことが確認されました。
一方で、経営戦略、販路拡大支援、補助金申請など、より具体的な「儲けるための知識」を深めたいという意欲的な意見も出されました。











これから、研修生のみなさんは、千葉(旭市、匝瑳市)、愛媛(西条市)、福岡(久留米市)の実地研修に参加していきます。※北海道(余市町)は7月に終了しております。