2025年 参加する

2025.10.21

地域研修・実地研修【北海道余市町】報告

開催日時

2025年7月16日(水)〜18(金)地域研修、19日(土)〜27日(日)実地研修、28(月)〜8/10(日)短期労働

地域研修 1日目 7月16日(水)

13:30集合 
14:20研修説明会@アップルドリーム研修スケジュール説明
16:00アイケイファーム余市 視察黒川町1357
講師 植村真里さん
18:30宿泊先 チェックインワインの宿、よいち!よいち!!よいち!!!
懇親会ワイン、ときどき豚

14:20〜研修説明会

余市町のアップルドリームにて研修全体スケジュールの説明、余市町職員工藤さんから余市町の紹介がありました。

16:00〜アイケイファーム余市株式会社 視察
講師|植村真里さん

アイケイファーム余市株式会社のマネージャー植村真里さんから、会社と圃場の紹介をしていただきまいsた。アイケイファーム余市は、東証一部上場企業で売上高約7,700億円を誇り、世界18ヶ国に展開する稲畑産業株式会社と、カナダ最大級のブルーベリー栽培業者「Silver Valley Farms」による国際的な合弁会社です。同社は、日本最大級のブルーベリー栽培面積を持つ広大な土地で生産を行い、現在は、カナダの先進栽培技術を導入するとともに、機械化による自動収集を取り入れた大規模栽培計画を推進しています。研修では、ブルーベリーの年間栽培スケジュール、詳細な栽培方法、そして11品種にわたる品種特性についての座学を受けました。さらに、実際に広大な圃場へ出向き、収穫風景などを視察することで、最先端の大規模農業を肌で感じる機会となりました。

宿チェックイン&懇親会

懇親会のお店が「ワイン、ときどき豚」宿泊店舗が2階の「ワインの宿、よいち!よいち!!よいち!!!」。今回お世話になるスタッフさんとお声がけいただいた余市町の地元農家のみなさんも参加して懇親会を開催しました。

地域研修 2日目 7月17日(木) 

9:30北海道大学 余市果樹園 視察ぶどう座学、視察
講師 猪瀬善久さん
11:00余市ワイナリー見学
昼休憩
余市ワイン
余市郡余市町黒川町1318番地|0135-23-2184
13:30余市町文化資材4箇所視察よいち水産博物館〜旧下ヨイチ運上家〜旧余市福原漁場〜フゴッペ洞窟
18:00宿泊先ワインの宿、よいち!よいち!!よいち!!!

9:30〜北海道大学 余市果樹園 座学・視察
講師|猪瀬善久さん

北海道大学余市果樹園では、その長い歴史や、りんごの病害対策、ブルーベリーの栽培技術、品種改良に至るまでの貴重な経緯について学びました。偶然居合わせた北海道大学地球環境科学研究科の川口俊一准教授から、地球温暖化に対応するための土壌改良として「カニの甲羅から抽出したキトサンを使った農法」の事例を紹介いただきました。土壌の質を改善し、作物に抵抗力をつける革新的な取り組みとして非常に興味深いものでした。学術的な知見と実践的な農業が結びついた、環境問題への具体的なアプローチを深く理解することができました。

11:00〜余市ワイナリー見学

余市ワインの醸造所を見学し、こだわり抜いたワインづくりの一端を体験することができました。工場見学では、ガラス越しではありましたが、ワイン作りの工程を拝見することができました。この工程を実際に見ることで、単なる製品ではない、職人の揺るぎない技とワインへの情熱を肌で感じることができました。特に、繊細な温度管理や熟成への配慮を知り、一本のワインに込められた労力と時間がどれほど大きいかを改めて認識しました。

13:00〜余市町文化資材4箇所視察

余市町には、歴史や文化を今に伝える貴重な文化財施設が点在しています。視察では、開拓の歴史や先人の暮らしを伝える展示のほか、建築や地域の伝統文化にふれることができます。よいち水産博物館〜旧下ヨイチ運上家〜旧余市福原漁場〜フゴッペ洞窟を見学しました。

地域研修 3日目 7月18日(金) 

9:00移住定住・就農勉強会余市町農林水産課農政振興係 工藤さん、杉本さん
余市町政策推進課 山本さん、
余市町地域おこし協力隊 インさん
12:00昼休憩
13:00余市町内生産者視察①ぶどう畑 本間さん、實田さん
15:30余市町内生産者視察②さくらんぼ畑 山下さん
17:00宿泊先ワインの宿、よいち!よいち!!よいち!!!

9:00〜移住定住・就農勉強会
講師 余市町農林水産課農政振興係 工藤さん、杉本さん
   余市町政策推進課 山本さん
   余市町地域おこし協力隊 インさん

余市町役場の職員の皆様からは、余市町の農業と移住に関する充実したサポート体制について、詳細な説明をいただきました。「りんご・ぶどう」が特産となった地理的な理由や背景に加えて、町独自の就農・移住定住支援制度が紹介されました。具体的には、研修支援、各種補助金、住宅手当、さらには国庫補助金の活用方法に至るまで、就農希望者が安心して一歩を踏み出せるための手厚い情報提供がありました。さらに、今年から地域おこし協力隊として活躍されている先輩のインさんから、具体的な事例をご紹介いただきました。インさんは、地域活性化を任務としつつ、ワイン醸造に携わり、将来的なワイナリー立ち上げを目指して活動中とのこと。中国出身であるインさんの「自国の市場にも余市のワインを広めたい」という熱意あるビジョンは、参加者にとって大きな刺激となりました。勉強会後には、研修生からの質問が活発に飛び交い、実りの多い意見交換が行われました。

13:00〜余市町内生産者視察・座学
講師|ぶどう畑 本間さん、實田さん

本間さんと實田さんからは、地域おこし協力隊としての活動を基盤に、いかにして起業へと繋がったかというストーリーを伺いました。お二人は、地域での真摯な活動とご縁が、店舗や圃場の取得という具体的な形になったプロセスを詳細に説明。
本間さんは、食と旅のライター・編集者としての顔を持ちながら、ワインエキスパートや調理師免許も取得。協力隊を経て、現在は余市町のPR活動を契約で担っています。
實田さんは、15年以上の飲食店経験を持つソムリエであり、協力隊時代は「ワイン醸造産業支援員」として平川ワイナリーで栽培・醸造研修に励みました。
現在、お二人は協力隊任期後、1階で「ワイン、ときどき豚」という飲食店を経営し、2階は宿泊施設として運営。さらに、広大なぶどう畑も取得し、3800本のぶどうの木を管理・収穫するなど、生産から加工、販売、観光までを一貫して手がける情熱的な取り組みを紹介してくださいました。

15:30〜余市町内生産者視察・座学・収穫
講師|さくらんぼ畑 山下さん

三重県出身の山下さんは、北海道大学大学院で自動運転トラクターなどのシステム研究に携わっていました。その中で、果樹栽培の現場作業が昔ながらの手作業から大きく進化していないことに着目。「技術的な貢献で農業を変えたい」という強い思いから、2年間の研修を経て、2017年に余市町で新規就農を果たしました。現在8年目です。山下さんが最も重視するのは、「いかに農家所得を向上させるか」です。プルーン、さくらんぼ、りんご、ラズベリーなどを扱う総合果樹農園を目指し、経営的な視点から活動を続けています。新規就農を志す人たちへは、徹底した事前準備の重要性を強調。地域特有の気候や農業の事情(品目・予算・支援など)を把握するための事前リサーチ、そして「自分がやりたい時に始められる土地がなかった」という経験から、自治体や農業委員会、地元の農家さんとの情報収集と良好な関係構築が何よりも大切だとアドバイスをくださいました。

実地研修  7月19日(土)〜27(日)

6:00宿泊先出発
6:30農作業研修|ブルーベリー収穫・選果アイケイファーム余市
12:00休憩
13:00農作業研修|ブルーベリー収穫・選果アイケイファーム余市
16:00終了 
※天候により時間変更あり

6:30〜|13:00〜 ブルーベリー農業研修(摘み取り・選果等)
講師|アイケイファーム余市株式会社

いよいよこの日から、アイケイファーム余市株式会社での9日間にわたる長期の実地研修が幕を開けました。研修生たちは、期待と緊張が入り混じる中で、初日の作業に臨みました。記念すべき1日目のテーマは、とにかくブルーベリーの「手摘みによる丁寧な収穫作業」です。広大な圃場の中で、粒の大きさや色づきを見極めながら、一つひとつ慎重に摘み取る作業を繰り返しました。特筆すべきは、作業途中で各研修生がどの程度の量を収穫できているか、進捗状況が全員に共有された点です。これにより、単調になりがちな収穫作業が、自然と健全な競争意識を伴う活気溢れる場へと変化しました。「誰が最も効率良く、品質を保って収穫できるか」という意識が芽生え、研修生全員が集中して作業に取り組む熱気あふれる初日となりました。

このあと、9日間の実地研修のあと、7月28日(月)から8月10日(日)まで同じく、ブルーベリー農園「アイケイファーム余市」にて14日間の短期労働が継続行われます。

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