開催日時
①2024/9/23(月) 〜 25(水) 千葉(香取)15名、千葉(多古)15名、秋田10名、合計40名
②2024/9/26(木) 〜 28(土) 福島10名、長野10名、福井10名、鹿児島10名、合計40名
開催内容・タイムスケジュール
1日目 9/23(月)・9/26(木) | 研修概要説明/講和 木内博一氏/講演 佐藤正史 氏/講演 髙橋義直氏/宿泊 農園リゾートTHE FARM |
2日目 9/24(火)・9/27(金) | 研修(生産者視察)/農園リゾートTHE FARM視察/株式会社和郷(カット工場、冷凍工場視察)講師 髙橋義直 氏 |
3日目 9/25(水)・9/28(土) | 生産者との座談会 講師 中村圭佑 氏/生産者ツール講習 講師 深水桂輔 氏 |
1日目|9/23(月) |9/26(木)|研修詳細
時間 | 内容 |
11:30~ | 成田空港へ集合 |
12:00~12:45 | バスにて移動 |
13:00~13:30 | 研修概要の説明 【場所】 ①9/23(月)橘ふれあい公園 〒289-0414千葉県香取市長岡1828-1 ②9/26(木)香取市小見川支所 〒289-0393千葉県香取市羽根川38番地 |
13:30~14:30 | 講和 『結農論』 株式会社和郷 代表取締役 農事組合法人和郷園 代表理事 木内 博一 氏 |
14:30~14:45 | 休憩 |
14:45~15:45 | 講演 『新規就農事例紹介』 農事組合法人 和郷園 理事 佐藤農園 代表 佐藤正史 氏 |
15:45~16:45 | 講演 『新規就農の研究』 株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 和郷アグリカレッジ インストラクター AFJ日本農業経営大学校 イノベーター養成アカデミー客員教授 髙橋義直 |
17:00~17:15 | バスにて移動 ※途中コンビニへ寄ります。 |
17:15~18:00 | チェックイン 農園リゾートTHE FARM 〒287-0103 千葉県香取市西田部1309-29 |
18:00~20:00 | 懇親会 ザファーム |
1日目|研修ピックアップ
13:30〜14:30 講和 『結農論』木内 博一氏
講師 木内 博一氏 プロフィール
農事組合法人和郷園 代表理事、株式会社和郷 代表取締役
1967年千葉県生まれ。1989年農林水産省農業者大学校を卒業し、家業を継いで就農。1996年に有限会社和郷(現:株式会社和郷)、1998年に農事組合法人和郷園を設立。産地直送やカット野菜事業を手がけ、農業を軸に多角的な事業展開を推進し、年商70億円の企業を築く。
受賞歴には、山崎記念農業賞(2002年)、千葉県農業奨励賞(2004年)、環境保全型農業推進コンクール優秀賞(2005年)など多数。
株式会社和郷の木内代表による講演は、同級生である和郷アグリカレッジの髙橋氏との対話形式で進行しました。高校時代からのつながりを背景に、高校卒業後、大学を経て実家に戻り農業に従事した経験を語り、その中で直面した農業の現状と課題について触れました。
「このままでは何も変わらない」という危機感から、農業をより良くするために何をすべきかを考え、行動を起こし、そして現状を変えるために奮闘したエピソードを紹介しました。その結果として、和郷園の立ち上げ、株式会社和郷の設立、さらにはカット・冷凍工場の設立や商品化、ザファームの開設など、事業の拡大を次々と実現してきたプロセスを解説しました。
木内代表は、約1時間にわたる講演の中で、これらの挑戦と成果について詳細に語り、農業の未来を切り開くためのビジョンを示してくれました。
14:45〜15:45 講演 『新規就農事例紹介』
講師 佐藤 正史 氏 プロフィール
佐藤農園 代表(JGAP認証農場)
農事組合法人 和郷園 理事
株式会社 和郷 監査役
1968年千葉県生まれ。
高糖度フルーツトマトの施設栽培を行い、農園スタッフの新規就農を積極的に支援している。
和郷園の中心メンバーとして理事を務め、後進の指導にあたっている。
千葉県多古町の「多古町の農業を考える会」の組成メンバーとして地域の就農促進にも貢献。
その他千葉大学などでの講演等、農業界での様々な指導経験を持っている。
今回の講演のテーマは当初予定していた「和郷園」に関する内容から、「新規就農事例紹介」に変更されました。参加者のニーズに合わせて、佐藤代表自らが新規就農者へのインタビューを実施し、生年月日や出身地、経歴、家族構成、就農のきっかけ、就農開始時の農業規模(品目、作付け面積、売上)と現在の状況、これから目指すこと、など、リアルな事例をもとにお話しいただきました。
それぞれ異なる業界から農業へキャリアチェンジした就農者の体験談を紹介し、「なぜ農業を選んだのか?」という点にも深く切り込む内容で、非常に興味深い講演となりました。新規就農を目指す方にとって、実践的で参考になる情報が満載の講和となりました。
15:45〜16:45 講演 『新規就農の研究』
講師 髙橋義直 氏 プロフィール
株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 / 和郷アグリカレッジ インストラクター / AFJ日本農業経営大学校 客員教授
1989年大学卒業後、総合飲料メーカーに入社し外食産業の開発業務に従事。その後、外食コンサルティング企業を立ち上げ、2001年に独立。2012年から株式会社和郷で「食と農」の6次産業化や新規事業開発支援、行政施策支援を担当。多くの地域活性化・農業支援プロジェクトに携わる。主な実績には、農園リゾート「ザファーム」の開発、三条市農業法人体質強化支援、JAL Agriport開発などがある。
講演では、新規就農に関するデータをもとに新規就農者の傾向や動向、どういう情報が必要だったのか、苦労した内容も踏まえての解説がありました。
大都市圏(関東・近畿)出身者の多くが地方で就農している一方、地方出身者は地元で就農する傾向が強いことを紹介しました。
また、新規就農者の多くが市民農園や貸農園、農業体験を経験しており、「農地の確保」「資金の調達」「技術の習得」が就農時の重要なポイントであると解説。今回の関わり創出での具体的なステップとしては、「情報収集」「体験」「研修」の3つを軸に進めることを推奨し、各都道府県で無料・有料で体験できるプログラム、農業大学校や国の支援制度も活用するようアドバイスがありました。さらに、農業経営の基本として、収穫量と単価を掛け合わせて売上を計算し、それを基に経営計画を立てる方法を紹介しました。
宿泊 THE FARM HABITA
今回の基本研修の宿泊は、ザファームが運営している「THE FARM HABITA」。
外装はグレーを基調にしたモダンデザインの2階建て。開放的な大きなテラスではローチェアでゆったりしたり、ドアを開ければそこには「ペレットストーブ」。点ければリビングをほんのり暖かくしてくれます。ペレットは環境に配慮した国産間伐材を使用しています。
懇親会 BBQスペース
ザファームでのBBQ体験&懇親会が開催されました。
2日目|9/24(火) |9/27(金)|研修詳細
時間 | 内容 |
9:00~11:00 | ザファーム視察 講師 株式会社和郷 ナレッジバンク事業部 事業統括取締役 和郷アグリカレッジ インストラクター AFJ日本経営大学校 イノベーター養成アカデミー客員教授 髙橋義直 氏 |
11:00~12:30 | 昼休憩 各自昼食 |
12:30~13:00 | 移動 |
13:00~14:00 | 生産者視察(和郷ファーム) |
14:00~14:10 | 移動 |
14:10~15:15 | 冷凍工場視察 株式会社和郷 さあや’Sキッチン 〒289-0408 千葉県香取市神生1187-2 |
15:15~15:30 | 移動 |
15:30~16:15 | カット工場視察 株式会社和郷 カット工場 〒289-0424 千葉県香取市新里1020 |
16:15~16:30 | 移動 |
ザファームにて各自夕食 |
2日目|研修ピックアップ
9:00~11:00 ザファーム視察
千葉県香取市にある農園リゾート「ザファーム」の視察では、農業体験とリゾートが融合した独自のビジネスモデルを学びました。「ザファーム」は、宿泊施設や温泉、レストランを併設し、自然の中でリラックスしながら農作業や収穫体験ができます。
「農業体験」、「宿泊施設・温泉施設」、「レストランと地産地消」、「地域連携と観光資源活用」をザファーム内を歩きながら、学んでいただきました。「ザファーム」の視察では、農業を軸にした6次産業化や観光資源の活用法、経営の多角化など、農業経営の新たな可能性を学ぶことができます。
13:00~14:00 生産者視察(和郷ファーム)
和郷ファームでは、有限会社さかきの木内代表と伊原さんがご案内くださり、作物の特徴や栽培方法、管理、使用している肥料について詳しくご説明いただきました。
14:10~15:15 冷凍工場・ドライ工場 視察(㈱和郷 さあや’sキッチン)
株式会社和郷の冷凍工場およびドライ工場を視察し、製造ラインの見学を行いました。視察では、青果の調達から加工、商品化に至るまでの一連の流れについて詳しく学び、各工程での品質管理や効率的な運用についても説明を受けました。また、青果を無駄なく有効活用する取り組みや、保存技術の工夫なども学び、食品ロスの削減や持続可能な生産への取り組みについて深く理解を深めることができました。
15:30~16:15 カット工場視察(㈱和郷 カット工場)
株式会社和郷のカット工場を視察し、カット野菜の製造過程を詳しく学びました。視察では、どのような店舗がどのよう商品を求めているのか、その需要について理解を深めました。野菜の洗浄、消毒、カット、パッケージング、そして配送に至るまでの一連の作業工程を詳しく勉強しました。それぞれの工程では、品質や衛生管理がどのように行われているか、また、効率的に商品を供給するための工夫についても説明を受け、カット野菜市場における需要の高まりと工場運営の重要性について認識を深めました。
3日目|9/25(水) |9/28(土)|研修詳細
時間 | 内容 |
9:00~11:00 | 生産者との座談会(2時間) 講師 和郷園生産者 FOOD BOX㈱ 代表取締役社長 中村圭佑 氏 |
11:00~12:00 | 生産管理ツール講習(1時間) ㈱ユニリタ 経営戦略本部 経営企画統括部 サスティナビリティグループ アグリビジネスチーム 深水桂輔 氏 |
12:30~13:00 | バスにて移動 |
13:00~ | 成田空港にて解散 |
3日目|研修ピックアップ
9:00〜11:00 生産者との座談会
最終日には、FOODBOX株式会社の中村さんをお招きし、農業に関するグループディスカッション形式の座談会を開催しました。座談会では、農業の現状や課題、そして今後の展望について意見を交わし、非常に充実した内容となりました。研修生のみなさんは積極的に発言し、きめ細かい議論を重ねることで、深い気づきや学びを得た様子でした。それぞれの視点からの意見交換が活発に行われ、実りある有意義なディスカッションになったと思います。
講師 中村圭佑 氏 プロフィール
FOODBOX 株式会社
代表取締役社長
CEO/フードカタリスト
福岡県の果樹農家出身。大学卒業後は約7年間農薬メーカーに勤め、中国を中心に活躍。
農薬メーカー時代にMBAを取得&中国語をマスターし、その後コンサル業界に転職。2019年7月にこれまでのキャリアを生かしてFOODBOXを起業。
11:00〜12:00 生産管理ツール講習
講師 深水桂輔 氏 プロフィール
㈱ユニリタから深水桂輔さんをお招きし、農業向けのサービスである「ベジパレット」について詳しくご紹介いただきました。深水さんは、サービスの開発背景やその目的について触れながら、農業経営における「収支の可視化」がどれほど重要であるかを強調されました。また、実際に「ベジパレット」を活用している農家さんたちの具体的な事例も紹介していただきました。これにより、農業経営の効率化やコスト管理の改善にどう役立っているか、さらにそれが現場でどのように実践されているのかが非常にわかりやすく解説されました。参加者からは多くの質問が寄せられ、活用方法や導入の具体的なプロセスについても深い議論が交わされ、農業のデジタル化やスマート農業の可能性について多くの学びを得る機会となりました。
講師 深水桂輔 氏 プロフィール
㈱ユニリタ 経営戦略本部 サスティナビリティグループ アグリビジネスチーム所属。1995年に大学卒業後、㈱ビーエスピー(現ユニリタ)に入社し、ソフトウェアエンジニアを経験。その後、基幹業務ソフトウェアの開発・販売を20年間牽引。2020年からアグリビジネスチームに参画し、「UNIRITAみらいファーム」を設立。水耕栽培を実践しながら農業向けサービス「ベジパレット」を開発し、2022年に正式リリース。同サービスは収支の可視化に特化し、特許出願、2023年にASPIC賞を受賞。
これから、各研修員は秋田、福島、千葉、長野、福井、鹿児島の各地域の実地研修に参加していきます。
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